コロナ禍の東京に、引っ越してきました。今まで住んでいた地方の築50年くらいの古い団地から脱出できて、うれしい。
新しい家は3階バルコニーから東京スカイツリーが見るので、家を契約した当初から「やるんだ」と心に決めていたことを始めています。すなわち、夜寝る前に、3階バルコニーから星を見ることと、東京スカイツリーを見ながら日記を書くこと。
赤ワインと、かきびーと、音楽をお供に。
でも、家が良くなったこと嬉しいけど、今まで住んでいた地方都市が懐かしくてたまりません。東京自体には何の魅力も感じなくなっていて、早く地方に脱出したいと考えてしまう。
あんなに東京っ子だった自分からは想像できない変化です。
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ほんの5年前までは、給料の半分が家賃という中央区のタワーマンションに背伸びをして住んで、窓からお台場のレインボーブリッジを見て喜んでいました。毎日のように銀座で飲んで、終電がなくなっても徒歩で帰れるので、そのタワーマンションが誇らしかった(笑)。
あのころは、給料のすべてを、洋服と、本と、飲み代に使い果たして、キャリア以外の人生のことなんて考えなかった。
ウエストをマークしたお出かけ用ワンピースを勝負服のように毎日着て、ピンヒールで、専門書を抱えてオフィスを闊歩することに価値があると思っていました。元気がなくなったら、まつエクが抜けてしまったせいにして、仕事の合間に六本木のまつエクサロンに駆け込む。大都市・東京で働いて、自分が稼いだお金を湯水のように使っている自分は、この社会にうまく溶け込んでうまくやっている、と言い聞かせていました。
そして結婚、出産、東京から地方都市に引っ越して、1年間の産休。
産後、半年くらいして、自分の顔をしっかりと洗面所の鏡でみたとき、その白髪の多さに衝撃を受けました。50代後半のように白髪が増え、やつれて、顔色の悪い、頬のこけた自分がいました。今まで見慣れていたまつエクを付けた自分の顔からは、別人でした。
なにこれ、この人もうすぐ死ぬじゃん。自分の顔を見てそう思ってしまった。初めて、自分の人生の残り時間を意識しました。
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今まで、自分のキャリアのために、やるべきことがありました。
東大を卒業し、まずは弁護士資格を取る。次は、多くの弁護士がそうであるように留学をして、米国の弁護士資格も取る。そして専門性を身に着け、安定的に稼げる実力と立場を得て、やっと自分のやりたいことをやる余裕ができて、やりたいことをやっている自分は幸せであろう…
まだ「やるべきこと」の半分もやっていません。でももう、鏡を見ながら、私に全部こなす時間は残っていない、と思いました。
全部の行程をとばして、直接自分のやりたいことをやってもいいかもしれない。もう「やるべきこと」という呪縛から自分を解き放って、「好きに生きる」ことが、これからの新しい生き方かもしれないと思いました。
自分のことなど、結局、自分以外の誰も気にしていないのです。
新しい生き方を、はじめたい。そうはいっても付きまとってくる古い考え方を一つ一つ時間をかけて、ここに書いて、変えていきたいと思います。