ドキュメンタリー「モンテッソーリ 子どもの家」(2021年日本公開)
てぃ先生がお勧めしていたyoutubeを見て、このドキュメンタリーを探してみました。1番の正直な感想は、おもちゃがどれも魅力的。教室が素敵なおもちゃや道具であふれている。
いや、おもちゃと言ってはいけない、モンテッソーリでは「教具」というのでした。子供たちは教具でお仕事をしているのであって、遊んでいるのでは無いのですよね。
魅力的な「お仕事」を支える環境
パズルやビーカー、文字を覚えるプレートや、音階をあてるベル、本当の料理ができるキッチンや、もちろん充実した絵本コーナーも。。大人でもワクワクするような空間で、子供たちはいっぱいお仕事(遊び)をします。
おもちゃだけではなく、本物もたくさんありました。例えば本物のにんじんや、オレンジ、玉ねぎなどが自由に使えます。子供たちは、遊びの中で生のオレンジを、本物のナイフで半分に切って、それをオレンジ絞り器でしぼってオレンジジュースを作ることができる。りんごを、りんごカッターでカットすることもできる。マッチを使い、ろうそくで火をつけることもできる。
もちろんこれは、約2歳半から6歳までの子供たちがいる中での、上級生の遊びなのでしょう。
でも、教室で火が使える、ナイフを使える、卵を割ってお料理を作る、自由に果物を食べられる、これらのことを自分の遊びとして自由にできる環境は、なかなか与えられないと思いました。
集中力を培う遊び
1クラス、約30人の子供たちを見ている先生の経験豊かさも画面から伝わってきました。
クラスルームでの遊びには、ルールがあります。
子供たちは、どのような遊びを自由にしても良い。でも、基本的に大きな声を出してはいけないし、他の子供たちの集中を周知を妨げてはならない。先生は、子供たちが集中しやすい環境を作れるよう、心を配っています。
瞑想したり、「ベルを、音をなさらずに隣のお友達に手渡す」という遊びをしたりして、集中力を身に着けます。
そして先生は、それぞれの子供の発達段階に応じて、この子供が今なにに興味をもっているかをよく観察しています。その敏感期に応じて、その子供を適切な遊びにいざないます。例えば言葉に敏感期である子供には、文字への興味を誘導する遊びをすること。教えようとしても、その子が興味を示さなければ深追いしない。
保育者ではなくて、教師なのだなと思いました。
作ってみよう!?モンテッソーリのおもちゃ
映画は素晴らしかったのですが、今の自分とかけ離れすぎて、正直この映画をどう消化していいかわからなかった。
東京の保育園を見つけるだけでも一苦労して、どこでもいいから認可保育園に入ってくれればというレベル。そして共働きの夫婦で時間がなく、子供の敏感期など気づく間もなく、バタバタして終わる日常。モンテッソーリがよさそうなことは分かるけど、どうしたらいいのか。。
とりあえず、モンテッソーリ教育の教具をレンタルできないか調べてみたけど、約3個で月4000円以上、などという値段に恐れをなして、そっとパソコンを閉じました。
マリア・モンテッソーリは、ローマのスラム街で、貧しい子供たちのために良い教育を、という信念で子供の家を開いたのに、それからずいぶん時がたつと、「モンテッソーリ教育」そのものが高価なブランドになってしまうのですよね。
100均モンテッソーリ
映画で出てきた教具に目を凝らして、自分でもできそうなものを、と、100円ショップでガラス瓶を買ってきて、こんなものつくりました。
映画に出てきた園では、子供たちがビーカーに水を入れたり、その水をほかのビーカーに移し替えたりして遊んでいました。いや、これなら簡単じゃん。
水でやるとこぼすと思ったから、まずは中にお米を入れて、もうすぐ2歳になる娘のおもちゃ棚に置いてみます。
おお、使っている。。と思う次の瞬間、ビンをひっくり返して、コメを床にばらまきます。
やっぱり、そうだよね。
試行錯誤の子育て、まだまだ続きます。
(ちなみに、映画はこちらのサイトで、6ユーロで見ることができました。ただ、原語はフランス語で、英語吹き替えか、英語字幕のみです。)