2歳の孫ちゃんへ

おばあちゃんからあなたへ手紙がきましたよ。

おばあちゃんはこう言っています。

「あなたは女性でハーフだから、将来は、国際離婚専門の弁護士になってね。そのためには、東京大学レベルの一流大学に進学して、司法試験に合格してね。

6歳になったら、私の住むところ(実家)の近くに引っ越してきて、小学校は公立小学校に行き、小学4年生からサピックスと言う中学受験の塾に行ってね。

中学受験をして、中学校からは私立中学に入り、鉄緑会という東大専門塾に行ってね。そして、難関大学に入ってね。その後司法試験に合格して、弁護士になってね。」

子どもの母である私に対しては、おばあちゃんはこう言いました。

「国際結婚だからといって、海外に住もうなんてバカなことを考えるな。海外に挑戦して失敗したらどうするのだ。おとなしく両親の近くに住めばよい。子供の進路を弁護士にして、そのサポートするため、母である私も実家近くに弁護士事務所を設立すれば良い。国際結婚してるんだから、女性だし、その事務所は国際離婚専門にして、家族経営すればいい。もちろん、実家にもちょくちょく来させて、子供に多様な人間関係を経験させるのだ。

子供は小学校までは親の言うなりになる。幼児教育は送ってやったチューターと言う幼児教育教材を使い、いろいろな能力を育てること。

たとえ夫が海外の人だからと言って、海外に行くなんてもってのほか。どこの外国も厳しい。外国に移住したどこどこのタレントも顔つきが険しくなった。地震が来るかもしれないけど、高齢化で産業も衰えていくけど、日本が一番いいのよ。」

こういう内容の手紙が、50枚位きました。

これらの手紙を見ながら、おばあちゃん(私の母)は、子ども(私)を信頼していないのだろうと思いました。自分が決めることが一番良い決断なので、子供たちはそれに従っていればよくて、子どもや孫が、自分より良い決断ができるわけがないと思っているのだろう、と。

自分の想像すらできない未来の世界を生きる子供を全面的に信頼し、何も言わずにそ見守れる親になるにはどうすれば良いのかと思った。

やれやれ、おばあちゃん。寂しいなら素直に、寂しいと言えば良いのに。海外に行っちゃうのは寂しいけど、時々会いに来てと言えば良いのに。

素直になれないなら、もう、ただ黙るべきなのだ。

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