妊娠中の出張や旅行、皆さんどうしていますか。安定期に入り、体調は安定しているけど行っていいのか、悩みますよね。
この記事では、妊娠7ヶ月(安定期)にインドへ1週間の海外出張に行った私が、その時の話を書こうと思います。
安定期の海外出張、いく?
その出張は、妊娠前から予定されていました。安定期に入り、上司に妊娠を報告した際、出張、どうする?と聞かれました。
出張先はインド。期間は1週間。宿泊先は良いホテルです。
安定期に入り、体調は安定しています。
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行きたい。でも、妊娠中に海外に行くなんてダメかな。。
周囲に相談
かかりつけの産婦人科医
かかりつけの産婦人科医に相談しました。もちろん、
お勧めしません。アメリカや先進国ならともかく、インドですか。出張先で病気になるリスクや、感染症などを考えると、医者としてはやめておいたほうがいいと言わざるを得ない。最後は本人が決めることですが…
と言われます。
でも自分としては行きたい。インドは憧れの国のひとつ。会社の費用でビザもとれる(せこい笑)。つわりも終わり、安定期で体調も安定しています。大丈夫なんじゃないかという気持ちもありました。
ネットで口コミサイトを検索
Yahoo!の知恵袋や、その他大手口コミサイトなどあらゆるサイトを見ました。反対9割、賛成1割といった感じです。
・そんなことを考えるなんて妊娠をなめている。
・無責任な母親、赤ちゃんがかわいそう。
・何かあってからでは遅い。
特にインドは、
・インドに3日以上いたらお腹を壊す。
・アメーバ赤痢になった。
・現地で病院に駆け込んだ。
など、いろんなエピソードがでてきます。
日本のサイトはなにかと保守的な傾向があるので、外国の人の意見も聞きたいと思って、すがる思いで海外の口コミサイトを見てみます。賛成4割、反対6割という感じでした。
やはり無謀かなあ…
産業医に相談
会社の産業医にも相談してみました。
「最終的にはあなたの判断ですが、勧めません。たしかに、現地で感染症にかかっても、それが直ちに赤ちゃんに直接影響する事はありません。ただし、胃腸炎では脱水症状になることが多いので、そのような感染症によって引き起こされる体調不良が、赤ちゃんの発育に影響する可能性は否定できません。」
という趣旨のアドバイスをされました。当然のアドバイスだと思います。
いや、でもどうしても行きたかったんです。
ここまで迷ってるというのは、行きたいのです。だから行くなと言われても納得ができないのです。次はいつ行けるかわからないし、仕事の重要な機会でもありました。
夫に相談
夫にも相談しました。すると彼は、あっさり、
「行ってくれば。自分でよく考えた結果でしょう。たとえお腹を壊しても、そういう感染症がすぐ赤ちゃんにうつるわけでじゃないでしょ」
その言葉に背中を押されて、私は無謀にも決めました、いっちゃおう。
行くための準備を開始する
そうと決まれば、徹底的な準備です。
- 感染症の種類やリスク、感染した後の対策についての情報収集
- 日本の薬の準備
- 現地のホテルの近くにある日本語が通じる病院を調べておく
- 海外旅行保険でカバーできるか確認する
- 航空会社に連絡して、座席を良い席にしてもらう(でもエコノミークラス)。
- 空港から自宅までスーツケースを運んでくれるサービスの手配。など。
感染症の予防接種を受けるのは難しかったので、気休めに、インドに行く1週間ほど前からビオフェルミンを服用しました。
また、会社が掛けている海外出張保険で、妊婦の海外での医療行為について保険でカバーされることを確認しました。日本のかかりつけ医に、カルテの情報を英語で記載してもらって持参する人もいるらしいですが、私はそこまでしませんでした。
役に立った物たち
私が持っていき、実際に役に立った物たちを紹介したいと思います。
フットレスト
妊娠中は、エコノミークラス症候群が無視できないリスクです。特に飛行時間が長時間になると、休養できる環境を整えるのも大切なことです。
これは1番役に立ったアイテムでした。このクッションの上に足を乗せると、フルフラットに近い姿勢を実現することができ、飛行機移動中の負担がとても軽減されました。
食料
基本的にホテルの部屋で自炊をするつもりだったので、いろいろな日本食の炊き込みご飯やレトルト品の数々を持っていきました。野菜が足りないと思って、乾燥野菜も、果物も持っていきました。。
ビニールシート
私は普段床に寝そべってヨガをする癖があったので、ホテルの床でもそれをするために、厚手のビニールシートを買いました。これは大活躍でした。
消毒薬、薬
消毒液のスプレーやシートを大量に持ち歩き、色々なものを消毒していました。
また、感染症対策として、ビオフェルミン、正露丸などを(インドの感染性には効かないという口コミがありましたが)お守り代わりにもっていきました。
コンロ
感染症対策として、なるべく現地での食べものを食べず、1週間分の食料を持って行って、自炊しようと思いました。そのためにトラベルクッカーを購入。海外と日本の両方の電圧に対応でき、比較的軽量で、アマゾンのランキングが良かったので買いました。
結果として、これは使いませんでしたが、「インドにいくけど、自炊すれば大丈夫」という心の支えになってくれました。そして、トラベルクッカーは、実際に出産後、乳児連れで海外旅行に行くとき、哺乳瓶の消毒やミルクのお湯を作るために大活躍しました。
どのように過ごしたか
現地に着くまでは、こう思っていました。
現地のものはなるべく食べずに、日本から持って行った食料で自炊しよう。やむを得ないときは、よく火を通したものだけを安全なお店で。
飛行機に搭乗する際のエックス線検査を、どきどきしながら
「妊娠中なので通れません」
と言ってみます。係員のひとたちは、あっさり、「じゃあこちらにきて」と代替の検査にしてくれました。
飛行機で移動中は、エコノミークラス症候群に気を付けて定期的に体をうごかし、いつもなら飛行機の中で映画を見まくる私ですが、できるだけ睡眠をとろうとしていました。
到着日当日
「おお、道路を牛が歩いてる!」
インドの空港からホテルまで移動するバスが、牛にさえぎられて渋滞します。感動していたらホテルにつきました。思えば、これが、インドらしい唯一の体験でした。
ホテルに着くと、消毒グッズで、洗面所やお風呂場、トイレ、部屋のテーブルなど、手が触れるところを拭き取ります。「口に入れるものはミネラルウォーターで洗うべし」という口コミがあったので、ホテルのコップなどもミネラルウォーターで洗いました。
夕食どきになりました。ほんとうは、日本から持ってきた食料で自炊するつもりだったのですが、着いたばかりでくたくたに疲れていました。仕事の準備もある。。
ふとルームサービスのメニューが目につきました。思わずじっくり見て、見てしまうと試してみたくなり、1品オーダーしてしまいました。豆のカレーと、ナンです。
しばらくして運ばれてきたカレーは、おいしそうな匂いでたまりません。思わず、ひと口食べてみました。めちゃくちゃおいしい!…気づいたら、1皿丸ごと平らげていました。。
しまった。さっきまで消毒液で部屋中拭いていた自分は、なんだったのだろう。インドの料理を口にしないと決めたのに。
まあ、食べてしまったものは仕方がない。ぼーっとベッドに寝転がりながら、おなかをさすり、胎動を手で受け止めていました。
翌日から最終日まで
翌日からの食事では、私は開き直って、インドの料理をおいしく食べました。ただ、豆と煮込んだ野菜を中心に食べ、肉や魚には手を出しませんでした(最終日まで)。
果物は、オレンジやバナナなど外側の皮が剥けるものだけを食べました。
出張中は、ホテルと会議室の往復で毎日が終わり、どこにも外出しませんでした。ほかのみんなは、オプショナルツアーみたいなものに参加して、現地の街に繰り出して行ったのですが、それはスキップしました。
日本人の同僚は、妊娠中の私をはらはらしながら見守ってくれましたが、外国の同僚は、妊娠を知っても、
「オプショナルツアー、なんで来ないの?」
と不思議がられました。文化の違いですね。
食事はだんだん大胆になっていき、最終日になんとチキンカレーを食べました。最終日、万が一感染症に感染しても、発症は日本に帰国してからだと考えたので、ちょっと気が大きくなってしまったのです。
おなかを壊すかなと毎日どきどきしながら過ごしていたのですが、全く大丈夫でした。
無事帰国
そんなこんなで、私の初インドへの出張は、お腹を壊すこともなく、元気に幕を閉じました。
これはラッキーだったと思いますが、今から考えてその要因は主に次のようなことでしょう。
・妊娠の経過が順調で、安定期になってからは体調も安定していたこと。
・期間が1週間と短かったこと。
・食事はすべて三ツ星ホテルのレストラン、飲み水はミネラルウォーターのみであったこと。
・現地の移動はホテルの部屋と会議室の往復のみで、街との接触がほとんどなかったこと。
・消毒液を持ち歩いて、食器やいろいろなものを消毒していたこと。
そんなこんなで、私はインドに大量に持っていた食料の大半(スーツケースの半分位が食料でした)を、ほとんど手をつけずに、現地のホテルの部屋に置いてきました。(「これは日本から持ってきた食料です。もしよかったらどうぞ」と書いたメッセージカードとともに笑。)
まとめ
妊娠中は大事を取り、赤ちゃんを守るのが最優先です。むやみにリスクをとれ、というつもりはありません。ご自身の体調や状況に応じて判断してするべきものだし、医師の判断は尊重するべきだと思います。
ただ、最後は自分の判断です。
私が海外出張にどうしても行きたくて悩んだ時、インターネットで「行ったよ」という情報がほとんどありませんでした。この体験記がお役に立てれば幸いです。